Project Next-L 参加館総合目録構想
「Project Next-L 参加館総合目録」を作りはじめました。以下、16日にNext-L のメーリングリストに流したのと同じ内容ですが、改めてここでも書きます。
昨年いろいろなところでProject Next-Lのお話をさせていただいたのですが、そこでよく要望される機能として「複数館の横断検索」がありました。
現在のProject Next-Lのシステムは分館対応にはなっていますが、ひとつのサーバーで管理できるのはひとつの組織の図書館だけで、組織(サーバー)をまたいだ蔵書管理や検索はできません。つまり、ひとつのサーバーで「A市立図書館」と「B市立図書館」の両方の管理はできないという意味です。
横断検索に使う「総合目録」といえば、すでにNACSIS-CATやゆにかねっとなどがあり、本来はそちらを充実させるのが筋だと思っています。しかし、現状はいずれもそのあたりの小さな図書館が気軽に参加してデータを追加できるものではありませんし、そのような状況をすぐに変えるのは難しそうです。それに、せっかくのプロジェクトですから、「総合目録」の新しい姿も考えてみたいです。
そこで、それらの要望に応えるために、Project Next-Lのシステムのための横断検索用総合目録サーバーを作ることにしました。とりあえず「Project Next-L 参加館総合目録」という名前をつけておきます。URLは仮のもので、変更される場合があります。
Project Next-Lのシステムを利用している図書館で資料の受け入れを行ったとき、つまりFRBRでいえばItemが作成されたとき、システムはこの総合目録サーバーに以下の情報をHTTPで送信します。
- 資料のタイトル、著者名、出版社名
- ISBN
- その資料の所蔵館におけるManifestationのURL
- 所蔵館のURL
総合目録サーバーはこれらの情報を受け取り、同じISBNの資料があれば所蔵館の情報だけを、なければ資料の情報と所蔵館の情報を登録します。もし所蔵館の情報が登録されていなかったら、送信元の図書館にアクセスして、館名や住所などの情報を取得します。これらの情報のやりとりはRESTで行われます。
登録された書誌情報は、すぐに検索できるようになります。各資料の表示方法については、myrmecoleonさんの「所蔵図書館マップ」を真似ています。
以上がメーリングリストに流したものです。このメールを送った直後に、日外アソシエーツの「公共図書館OPAC総合目録データベース」という計画があるのを知りました。 なお、去年の図書館総合展で「ちょっとした隠し球」として発表する予定だったのはこれでした。