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日本図書館協会のふたつのサイト

 会員でもないのになぜこんなことを考えているのかわからないけど、もうちょっとだけおつきあい下さい。

 おなじみの日本図書館協会のホームページは、日本における図書館や図書館員の現状を忠実に体現している、非常によくできているものです。ALACILIP韓国KLA中国図書館学会と比較しても、そのでき映えは群を抜いていると言ってよいでしょう*1

 さて、この日本図書館協会のホームページは、

のふたつのサイトに存在します。どちらのURLでも同じ内容のページが表示されます。

 さらに、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この状態はかなり昔、まだ nii.ac.jp が nacsis.ac.jp だったころから続いています。

 実はつい先ほどまで、「これは実体はひとつのサイトで、DNSで両方からのアクセスをそこに向けているんだろう」と思っていました。(2009年3月1日追記: これは今回の場合は不可能ですしかし、実際にDNSレコードを見てみると、

tanabe@kamata:~$ host www.jla.or.jp
www.jla.or.jp has address 210.128.238.26
www.jla.or.jp mail is handled by 10 bh0.iij.ad.jp.
tanabe@kamata:~$ host wwwsoc.nii.ac.jp
wwwsoc.nii.ac.jp has address 157.1.35.201
wwwsoc.nii.ac.jp mail is handled by 5 wwwsoc.nii.ac.jp.

このふたつはIIJとNII、全く別のネットワークに存在するようです。また、それぞれのサーバにあるトップページについてHTTPのヘッダを見てみると、

tanabe@kamata:~$ telnet www.jla.or.jp 80
Trying 210.128.238.26...
Connected to www.jla.or.jp.
Escape character is '^]'.
HEAD / HTTP/1.0

HTTP/1.1 200 OK
Date: Fri, 27 Feb 2009 10:43:54 GMT
Server: Apache
Last-Modified: Wed, 18 Feb 2009 02:00:40 GMT
ETag: "1000000006c8e-175b-46327c95c8200"
Accept-Ranges: bytes
Content-Length: 5979
Connection: close
Content-Type: text/html

Connection closed by foreign host.
tanabe@kamata:~$ telnet wwwsoc.nii.ac.jp 80
Trying 157.1.35.201...
Connected to wwwsoc.nii.ac.jp.
Escape character is '^]'.
HEAD /jla/ HTTP/1.0

HTTP/1.1 200 OK
Date: Fri, 27 Feb 2009 10:44:16 GMT
Server: Apache
Last-Modified: Wed, 18 Feb 2009 02:07:40 GMT
ETag: "60f26-1709-e2653300"
Accept-Ranges: bytes
Content-Length: 5897
Connection: close
Content-Type: text/html

Connection closed by foreign host.

Last-Modified(最終更新時刻)が7分も違いますし、Content-Lengthの値も異なっています。実際のファイルを見ると、改行コードだけが異なっていました。

 つまり、ww.jla.or.jp と wwwsoc.nii.ac.jp の各サーバ上にあるファイルは別々に存在するものであり*2、www.jla.or.jp と wwwsoc.nii.ac.jp のどちらか片方(時刻からすればNII)がミラーサイトとして機能している状態だということです。

 どのようにしてふたつのサイトのファイルの同期をとっているのかは、これだけではわかりません。NIIのサーバは ssh が使えるので、rsync と併用して*3同期をかけているのかもしれませんし、単にFTPクライアントを使って手動で同期させているのかもしれません。

 このふたつは最初からこのようなミラーリングを行う関係ではなかったようで、Internet Archive によれば、www.jla.or.jp と wwwsoc.nacsis.ac.jp で異なるコンテンツが存在していた時期があったようです。このページでアーカイブされているのは、www.jla.or.jp が1999年、リンク先の wwwsoc.nacsis.ac.jp が1998年のものなので当時の関係を正確に表しているものではないのですが、それでも「ふたつのサイトに異なるコンテンツが存在していた」という状況は把握できます。

 興味があるのは、なぜこのようなミラーリングの状態が長らく続いているのか、ということです。もちろんミラーリング自体が悪いわけではありませんが、大量のアクセスが集中するようなサイトではなさそうですし、IIJやNIIの回線がそれほど頻繁に停止することもないと思いますので、負荷分散やバックアップとしてのミラーリングの意味は非常に薄いように思います。なぜこのように「ふたつのサイト」が存在しているのか、なにか歴史的な事情があるのか、ご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただけないでしょうか。もちろん、事実の誤認がありましたら遠慮なくご指摘ください。

 ここからは仮定の話です。

 もし今の www.jla.or.jp のファイルがあるWebサーバを維持するのにお金がかかっていて、ミラーリングをする必要性が薄いと判断されるのであれば、Webサーバを解約して(jla.or.jp のドメインはそのまま保持)、そのお金でNIIのサーバにブログでも入れて、コンテンツを移行してみるというのはいかがでしょうか。たとえばMovableTypeNIIのサーバでも動作実績がありますし、日本図書館協会で作っているブログ(企画調査部学校図書館部会(すでにページ消滅))も集約できますし、商用版だとサポートに加えて「コミュニティ・ソリューション」なんていうウケのよさそうな機能もあるので、検討してみる価値はあるのではないかと思います。
 ただし、WebについてはDNSで jla.or.jp をNIIのサーバに向けるとしても(2009年3月1日追記: これは今回の場合は不可能です、NIIで面倒を見てくれない電子メールをどうするかという問題が残ります。さすがにフリーメールを使うわけにはいかないでしょうから、結局現在のサーバをそのまま使わざるをえない場合も出てくるかもしれません。現在のサービスの契約内容を知らずに書いているので、ここであまり細かく考えても意味がないのですけどね。

 あと、現在のすばらしいホームページについて、事務局の人手が足りていないのは仕方がないとしても、会員になら詳しい人はそれなりにいると思うのですよ。「こういうことをやってみたいけど、どうやっていいのかわかりません。お知恵を貸してください、お礼をさせていただきますので」といった形で協力を呼びかけてみればよいのに、と思います*4。もちろん、協力してくれた方は大いに表彰してあげることが必要です。

 えっ、せっかく図書館や図書館員の現状をここまで忠実かつ正直に体現しているホームページなのにもったいない? うーん、たしかにそれはそうかも。

*1:丸山さんのブログの記事も参照。

*2:仮に何らかの方法でネットワーク上でファイルを共有しようとすれば、コンピュータの時刻を同期させなければ動作に支障が出るはずです。

*3:でも rsync って改行コードの変換なんてできるんだっけ? マニュアルを読んだら、ファイル名については異なる文字コードへの変換ができるみたいだけど。

*4:こういうところで、若手の会員を集めることが重要になってくるのです。